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ダニが媒介する感染症に注意しましょう

ダニが媒介する感染症に注意しましょう。

 野外に生息するマダニ類やツツガムシ類は、動物の体液を吸うことで生活環が成り立っています。
 人が野外作業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息場所に立ち入ると、ダニに咬まれることがあります。ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、咬まれた人が病気を発症することがあり、国内では日本紅斑熱重症熱性血小板減少症候群(SFTS)つつが虫病などが知られています。日本紅斑熱はマダニ類、つつが虫病はツツガムシの幼虫に咬まれることにより起こります。またSFTSはマダ二からの感染が一般的ですが、SFTSを発症した動物からも感染するおそれがあります(2017年に、SFTSを発症したイヌからヒトに感染し発症した事例が、また2018年にSFTSを発症したネコからヒトに感染し発症した事例が報告されました(Japanese Journal of Infectious Diseases,72,356-358,2019))。
 これらの感染症にかからないために、野外でのダニ対策を行うとともに、野外でダニに咬まれた後、数日して発熱等の症状が認められた場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

マダニ類について

「マダニ」は、食品等に発生する「コナダニ」や、衣類や寝具に発生する「ヒョウダニ」などの家庭内に生息するダニとは種類が異なります。
マダニは、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3~4mm)のダニで、主に森林や草地などの屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。
 

マダニ類に咬まれないように注意しましょう。

 【野外で活動する際の予防のポイント】

  1. マダニは、主に草むらや藪・森林にいます。このような場所で長時間地面に直接寝転んだり、座ったり、服を置いたりしないようにしましょう。
  2. 草むらなどに入るときは、長袖、長ズボン、手袋、長靴等を着用しましょう(色の薄い服はくっついたダニを見つけやすくなります)。
  3. ダニをよせつけないためには、肌の露出部分や服にディートやイカリジンなどの有効成分が含まれた虫除け剤の使用も有効です。虫除け剤は皮膚の露出部分や、衣服の上から使います(ただし、目、口、耳、傷がある部位、皮膚が過敏な部位には使用しないようにしましょう。乳幼児、小児に使用する場合は注意が必要です。添付されている使用上の注意をよく読んでください。)。
  4. 帰宅後は、上着や作業着を家の中に持ち込まないようにしましょう。
  5. 帰宅後はすぐに入浴し、体をよく洗い、新しい服に着替えましょう。入浴やシャワーの時には、ダニが肌についていないかチェックしてください。
  6. 着ていた服はすぐに洗濯するか、ナイロン袋に入れて口を縛っておきましょう。

 

 【動物と触れ合う際の予防のポイント】 

  1. 屋内のみで飼育されている動物については、ダニ媒介感染症に感染するおそれはありません。一般的な事項として、過剰な触れ合い(キスや口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝ることなど)は控えましょう。
  2. 動物に触ったら必ず手を洗いましょう。
  3. ペットにダニがつかないように、ダニ除け剤などで予防しましょう。ダニがついていたときは、動物用のダニ駆除剤等で適切に駆除しましょう。
  4. 飼育している動物の健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診しましょう。

もしマダニ類に咬まれたら

 マダニ類の多くは、人や動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いもので10日間)吸血します。無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残ったり、ダニの体内や傷ついた皮膚から出る液体に病原体がいる可能性があるので、直接手でダニを取ったり、つぶしたりしないようにしてください。吸血中のマダニに気が付いた際は、医療機関で処置してもらいましょう。
 また、マダニに咬まれた後に、発熱等の症状が認められた場合は、早めに医療機関を受診してください。 

症状がでたとき

 野外活動の後、数日から2週間程度のうちに発熱・発しん等の症状が認められた場合、速やかに医療機関を受診してください。その際、野山や草むらなどに立ち入る機会があったことを伝えてください。
 
また、取り除いたマダニを保存している場合は、医療機関を受診する際に持参してください。

 体調不良の動物と接触後、体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診してください。受診する際は、動物の健康状態や接触状況についても伝えてください。

ダニが媒介する感染症

日本紅斑熱

日本紅斑熱リケッチア( Rickettsia japonica )という細菌による感染症です。

 日本紅斑熱は、リケッチア・ジャポニカ( 日本名 : 日本紅斑熱リケッチア )という細菌によって発症する病気で、病原体を持っている野外のマダニに刺されることで感染します。マダニは、野山、畑、河川敷等に生息していますが、全ての個体が病原体を持っているわけではありません。人間が、病原体を保有するマダニの生息場所に立ち入り、咬まれることで感染します。人から人への感染はありません。咬まれてから2~8日後に高熱と発しんで発症し、重症の場合は死に至ることもあります。夏から初冬にかけて多く発生しますが、真冬を除いてほぼ1年中感染する可能性があり、全国では毎年100人以上の患者が報告されています。岡山県では2009年10月に、初めての患者が報告されて以来、毎年10名未満の報告が続いています。

ヤマアラシチマダニ
ヤマアラシチマダニ(成虫)
岡山県環境保健センター撮影

重症熱性血小板減少症候群(Severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)

SFTSウイルスによる感染症です。

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2011年に初めて特定された新しいウイルス、SFTSウイルスによって引き起こされる病気です。このウイルスを保有している野外のフタトゲチマダニ等のマダニに咬まれることによって感染します。また、感染者の血液・体液との接触感染や、感染した動物(イヌ・ネコ)からの感染も報告されています。
咬まれてから6日~2週間後に発熱、倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が現れます。重症化する例が多く、死亡率は3割近くにまで達しています。

2009年3月~7月中旬にかけて中国中央部で原因不明の疾患が集団発生したことで本感染症の存在が明らかになり、2011年に原因ウイルスであるSFTSウイルスが確認されました。中国では、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からウイルスが見つかっており、これらのマダニが活動的になる春から秋に、患者が発生しています。
日本では2013年1月、SFTSウイルスによる症例(2012年秋に死亡、最近の海外渡航歴なし)が国内で初めて確認されました。ウイルス自体は以前から国内に存在していたと考えられています。SFTSウイルスを媒介すると考えられているマダニ類は国内に広く分布するので、全国どこにおいても発生する可能性のある感染症と考えられます。岡山県では2013年7月に、初めてのSFTS患者が報告されて以来、毎年0~3名の報告が継続しています。

マダニの画像
フタトゲチマダニ(成虫)
岡山県環境保健センター撮影

つつが虫病

 つつが虫病リケッチア( Orientia tsutsugamushi )による感染症です。

 つつが虫病は、オリエンチア・ツツガムシ( 日本名 : つつが虫病リケッチア )という細菌によって発症する病気です。この病原体を保有している野外の小型のダニの一種であるツツガムシの幼虫に咬まれることにより起こります。ツツガムシは林、草むら、河川敷などの土の中に生息していますが、全てのツツガムシが病原体を持っているわけではありません。作業、レジャーなどの活動の際、人間が病原体を保有するツツガムシ(有毒ダニ)の生息場所に立ち入り、咬まれることで感染します。自然が豊かな地域では、自宅周辺で咬まれて感染することもあります。人から人への感染はありません。咬まれてから5~14日後に高熱と発しんで発症します。重症の場合は死に至ることもあります。
 つつが虫病は、全国では毎年300~400人の患者が報告されています。春と秋の二つのピークがありますが、関東~九州では秋から初冬に主に発生があります。かつては山形県、秋田県、新潟県などで夏季に河川敷で感染する風土病でしたが、戦後は北海道など一部の地域を除いて全国で発生が見られるようになりました。岡山県でも毎年0~3名の報告が継続しています。

タテツツガムシ( 幼虫 )    タテツツガムシ(幼虫)
福井大学医学部  高田伸弘先生提供

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