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岡山県教育委員会 教育長からのメッセージ

教育長メッセージ

 「ICT(情報通信技術)」と「PBL(課題解決型学習)」で新しい教育を岡山から 

 皆様、こんにちは。岡山県教育委員会教育長の鍵本でございます。

 いよいよ令和3年度がスタートいたしました。令和3年度の開始に当たり、皆様にご挨拶申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症は、いまだ予断を許さない状況が続いておりますが、私たち岡山県の教育関係職員は、何よりも子どもたちの学びを止めないこと、そして子どもたちが安心して学校に通うことができるように、一人ひとりがそれぞれの持ち場で知恵を絞り、万全を期して感染症対策や学校行事、日々の学習の準備に取り組んでまいります。

 さて、本年度は、「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」そして「第3次岡山県教育振興基本計画」のスタートの年であります。

 「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」では、引き続き「重点戦略1 教育県岡山の復活」の中で、3つのプログラムに取り組んでまいります。その3つのプログラムとは、「学ぶ力育成プログラム」「徳育・体育推進プログラム」「グローバル人材育成プログラム」です。

 この度、前プランの「学力向上プログラム」から「学ぶ力育成プログラム」へと名称を変更したのは、引き続き「学力向上」にしっかりと取り組みつつ、その「学び」を一層促進するために、その原動力となる子どもたち一人ひとりの「夢」を育み、その実現に挑戦させることで「意欲」や「自信」などの「自分を高める力」を養う「夢育」を推進し、「学びに向かう力」も含めて育成していきたいとの思いからです。また、「徳育推進プログラム」は、「知育」・「徳育」・「体育」をバランスよく進める観点から、「体育」についても明確に示すため、「徳育・体育推進プログラム」としました。

 なお、「第3次岡山県教育振興基本計画」においても、「夢育」の推進や、「知育」・「徳育」・「体育」にバランスよく取り組んでいくことを示しており、本年度から着実に取り組んでまいります。 

 さて、子どもたちがやがて巣立っていくこれからの社会は、既にこの「コロナ禍」の状況がそうであるように、「先を見通すことが難しい社会」になっていきます。

 さらに、少子化や高齢化による人口減少やAI等の発達による高度情報化、グローバル化が進めば、ますますその傾向が強くなるでしょう。

 このような社会にあっては、知識や技能を持っていることに加えて、その知識や技能を生かして使いながら、意欲的に物事に取り組み、くじけることなくやり抜いていける、そして周りの人々と力を合わせて目の前の課題を解決し、これまでになかった新しい答を見つけ出していく、そういった力が必要です。

 そのためには、本県教育がこれまで進めてきた「学力向上」や「不登校対策」、「体力向上」に引き続き取り組んでいくとともに、もう一方で、「意欲」や「忍耐力」、あるいは「コミュニケーション能力」などテストで測ることのできない「非認知能力」といわれる力も、併せてしっかりと高めていかなくてはならないと考えています。

 そして、こうした「これからの教育」を考えた場合に、そのキーワードとなる2つの言葉が、「ICT」と「PBL」です。

 「ICT(Information and Communication Technology)」とは、コンピュータやインターネットを活用した「情報通信技術」のことであり、「PBL(Project Based Learning」とは、子どもたちが、自ら課題を見つけ、その課題を自ら解決する過程を通して、課題を解決するために必要な能力を身につける学習方法のことであり、「課題解決型学習」ともいわれます。

 なぜこの2つの言葉が、キーワードとなるのかお話ししましょう。

 まず「ICT(情報通信技術)」についてですが、本年度からGIGAスクール構想が一気に前に進みます。子どもたちは、一人一台のコンピュータ等の端末を「文房具」として使い、学習を進めていくようになります。

 「ICT(情報通信技術)」を活用することにより、先生方は、子どもたちに、より分かりやすく学習の内容を提示することができますし、すべての子どもたちの課題に対する考えを把握し、それを瞬時に子どもたち全員に返すことも可能になります。また、個々の子どもたちの理解の程度に応じた課題に取り組ませることもできるようになります。このことによって、知識や技能の定着は、より効率的・効果的に進めることができるようになると考えています。

 しかし、そのためには、まず先生方が、コンピュータ等の端末やネットワーク等の操作を習得していかなくてはなりません。それは大きな課題でありますが、本県の教育関係職員が一丸となって、乗り越えていかなくてはならないと思っています。

 もう一つのキーワードである「PBL(課題解決型学習)」は、本県においては、既に県立高校の「地域学」等の探究学習で積極的に取り組まれています。子どもたち自身が課題を設定し、その解決に取り組む過程を通して、これまで授業で学んだ知識と知識をつなぎ、より深く理解しながら、さらに高度な思考力・判断力・表現力などの生きて働く「実践的な力」や、これらの活動を支える「意欲」や「忍耐力」、「コミュニケーション能力」などの「非認知能力」も、身につけていくことができると考えています。

 ある海外のドキュメンタリー映画の中で登場した先生が「判断する機会を与えないで、判断力が育つわけがない」と言っていた言葉が、強く私の心に残っています。これから「先を見通すことが難しい社会」となるわけですから、一層「PBL(課題解決型学習)」のような現実の社会に近い学びを通して、様々な力を実践的に身につけていくことは必要だと考えています。

 高校の「地域学」等の探究学習の例をお話しましたが、県教育委員会では、中学校や小学校、さらにそれ以前の就学前の教育においても、発達段階に応じた形での「PBL(課題解決型学習)」の視点は、極めて重要だと考えています。

 総合的な学習の時間(高校では「総合的な探究の時間」)や、あるいはこれまで既に学校で行われてきた「学校行事」や様々な「教育活動」の中においても、「どういった力を子どもたちにつけたいのか」という「ねらい」を先生方が明確に持ち、「子どもたち自身に判断させること」を重視しながら取り組んでいけば、それは「PBL(課題解決型学習)」となります。「PBL(課題解決型学習)」という言葉を知らなくても、このような取組を行っている学校はたくさんあります。

 そして、先生方が、その活動の過程の中で子どもたちがとった「価値ある行動」をしっかりと見取り、それを本人にフィードバックし、それぞれの子どもに意識化させていくことで、その「価値ある行動」は次第に強化され、「非認知能力」やそれに支えられる「実践的な力」を発達段階に応じて身につけていくことができると考えています。

 県教育委員会では、今後さらにデジタルで学びを進める「ICT(情報通信技術)」と、リアルな世界での実践力をつける「PBL(課題解決型学習)」の両方が必要になると考えています。

 そして、本年度は県教育委員会の事務局内に、「ICT(情報通信技術)」の活用を進める「教育情報化推進室」と高校における「PBL(課題解決型学習)」の推進などを通して、高校の魅力化を進める「高校魅力化推進室」という組織を作りました。今後、県教育委員会は、市町村教育委員会や各学校と連携しながら、一人ひとりの子どもたちに、自分の未来を切り拓いていける確かな力を育んでいきたいと考えています。

 「『教育県岡山』とは何か」と尋ねられることがよくあります。「教育県岡山」とは、「教育について知りたいのなら、岡山に行きなさい」と言われるような、「全国の手本となる教育」が行われている県であることだと私は思っています。

 かつての岡山は、確かにそうであったのでしょう。閑谷学校へ他藩の武士も集い、あるいは山田方谷のもとに越後長岡から河井継之助が教えを請いに来たように、全国から多くの人々が私たちの岡山に学びにやって来ました。明治以降もその教育水準の高さから同様であったと思われます。「全国の手本となる教育」が岡山にはあったのです。

 そして今、教育の形は大きく変わろうとしています。これまで本県が県を挙げて取り組んできた「授業改善」による子どもたちの「学力向上」には引き続き重点的に取り組みつつ、「ICT(情報通信技術)」と「PBL(課題解決型学習)」による学びを進めることで、新しい教育を岡山から発信していきたいと思っています。そして、新たな時代の「教育県岡山」を目指して、市町村教育委員会や各学校と連携して、取り組んでいきたいと考えています。

 引き続き、多くの皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

 

                                                    令和3年4月1日

岡山県教育委員会教育長 鍵本 芳明

 


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