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令和元年11月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0637429 2019年11月28日更新政策推進課

令和元年11月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は,皆様御多用のところ御参集いただきまして,誠にありがとうございました。

 今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして,当面する県政の課題について申し述べ,県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 まず,はじめに,平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興について,復旧・復興ロードマップの体系に沿って,御説明申し上げます。

(被災者の生活とくらしの再建)

 まず,「被災者の生活とくらしの再建」につきましては,引き続き,被災者の見守りや相談支援,一人ひとりに寄り添った心のケアに取り組むとともに,仮設住宅入居者に対し,再建した自宅や民間賃貸住宅へ転居するための費用を支援する制度を新たに設け,一日も早い生活再建につなげてまいりたいと考えております。また,仮設住宅の入居期間については,年内に国の同意が得られるよう協議を進めているところであり,今後も,被災者の個別の状況に応じた丁寧な対応に努めてまいります。

 災害廃棄物対策の推進につきましては,河川の氾濫による浸水被害により大量の災害廃棄物が発生したことを想定し,先般,国,市町村,関係団体と連携して,仮置場の設置や住民への広報などの図上訓練を実施したところであります。また,岡山県災害廃棄物処理計画についても,今年度中の改訂に向けた見直しを進めており,災害時に適切かつ円滑・迅速な処理が行えるよう,一層の体制強化を図ってまいります。

(公共施設等の復旧)

 次に,「公共施設等の復旧」につきましては,甚大な被害を受けた末政川や砂川等において,決壊箇所以外の区間の本格的な堤防嵩上げなどの改良復旧工事を進めているところであります。また,小田川沿いの12箇所の農業用排水機場については,仮復旧で稼働させていたポンプに関し,出水期を過ぎた今月より本格的な整備に着手したところであり,引き続き,復旧完了に向けて取り組んでまいります。

(地域経済の再生)

 次に,「地域経済の再生」につきましては,グループ補助金の年度内の事業完了に向け,交付手続の迅速化を図っており,一方で,特別な事情により事業完了が困難な事業者もあることから,先月,広島県,愛媛県とともに,国に対し必要な予算措置を要望したところであります。また,いまだ事業が再開できない事業者や,再開後も売上げが回復しないなど課題を抱える事業者もみられることから,引き続き,きめ細かな相談対応や専門家派遣などの支援を行ってまいります。

(豪雨災害の検証と今後の対応)

 次に,「豪雨災害の検証と今後の対応」につきましては,先般,地域の自主防災リーダーを対象とした研修会を実施したほか,地区防災計画等の作成が全県的に進むよう,県と市町村等で構成する推進協議会において,これまでの作成状況や課題等を情報共有することとしております。また,来年1月には,図上防災訓練を実施し,今年度見直した災害時の受援計画の実効性を確認することとしており,こうした取組を通じて,本県の防災力を一層強化してまいります。

教育県岡山の復活

 続きまして,「新晴れの国おかやま生き活きプラン」の重点戦略に沿って,御説明申し上げます。

 まず,「教育県岡山の復活」についてであります。

(学力向上)

 学力向上につきましては,現在,小中学校において,学習内容の定着状況の確認テストを行っているところであり,子どもたち一人ひとりの状況に応じて,早期につまずきを解消し,確実な定着を図ってまいります。

(教員の働き方改革)

 また,教員の働き方改革につきましては,国のガイドラインを踏まえ,9月に県立学校教員の勤務時間の上限に関する方針を策定したところであり,引き続き,教員が元気で意欲的に子どもたちと向き合うことのできる環境づくりを推進してまいります。

(児童生徒の問題行動等)

 次に,児童生徒の問題行動等につきましては,先月公表された国の調査結果では,昨年度の暴力行為の発生件数が小学校で減少するなど,組織的な生徒指導体制の構築や学校警察連絡室の設置といった取組の成果が現れております。一方,中学校では,発生件数が増加し,全国平均を上回る状況にあることから,指導体制の強化等の徹底を図ってまいります。

 また,増加傾向にある長期欠席や不登校につきましては,各学校において,統一的な基準により,児童生徒一人ひとりの状態を適切に把握し,関係機関等と連携して組織的な対応を行う取組を推進してまいります。

(海外留学の促進)

 次に,海外留学の促進につきましては,来月,大学生,高校生等を対象とした留学促進フェアを開催することとしております。フェアでは,留学経験者による講演や,アメリカ,オーストラリアの大学関係者による個別相談会などを行い,県内学生の留学への関心と意欲を高めてまいります。また,高等学校では,生徒の海外留学や,姉妹校を活用した海外の高校生との交流促進等に取り組んでいるところであり,引き続き,グローバルな視点を持って国内外で活躍できる人材の育成を推進してまいります。

(児童生徒の英語力の向上)

 児童生徒の英語力の向上につきましては,玉野市の小学校と早島町の中学校において,オンライン英会話やAI教材など,ICTを活用したモデル事業に取り組んでいるところであります。さらに,中学校においては,外部試験を活用し,その結果に基づいて授業を改善するなど,「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能をバランス良く育成するための取組を進めてまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして,「地域を支える産業の振興」についてであります。

(中国横断自動車道岡山米子線の4車線化)

 まず,中国横断自動車道岡山米子線の4車線化につきましては,県議会の皆様をはじめ,関係者が一丸となって要望活動に取り組んだ結果,9月に,国において,県内に残る暫定2車線区間全てについて4車線化等の「優先整備区間」に決定されたところであります。このことは,全線4車線化に向けた大きな前進であり,引き続き,早期の事業化を,国に対し働きかけてまいります。

(自動車産業の振興)

 次に,自動車産業の振興につきましては,先月,自動車メーカーによるEVシフトに伴う技術ニーズの発信会を,県内の自動車関連企業を対象に開催したところであります。さらに,要望に応じて技術開発の専門家を派遣するなど,県内の自動車関連企業が技術ニーズにしっかりと対応できるよう,積極的に支援してまいります。

(中小企業の支援)

 中小企業の支援につきましては,来年1月に,5回目となる「おかやまテクノロジー展2020」を開催します。この展示会には,200社を超える企業が出展を予定しており,本県のものづくりを支える中小企業の競争力強化と販路拡大を図ってまいります。また,県内高校生に展示会への参加を促すとともに,新たに,関西圏在住の学生や転職希望者を対象に,大阪発着の見学バスツアーを実施するなど,県内企業の魅力を伝えることにより,県内への若者の定着とIJUターンにつなげてまいります。

(観光・文化振興)

 次に,観光・文化振興につきましては,観光キャンペーン「おかやま果物時間」では,「おかやま絶品フルーツめぐり」スタンプラリーのほか,美作三湯芸術温度と連携した「美めぐりパスポート」により,広域的な周遊に結びつけたところであります。また,先日終了した岡山芸術交流では,県内外から前回を上回る31万人の方々の来場があったところであり,引き続き,本県文化の魅力と観光情報の効果的な発信に努め,誘客の拡大を図ってまいります。

(農産物のブランド化の推進)

 次に,農産物のブランド化の推進につきましては,先日,台湾で新米フェアを開催するなど,果物以外の品目の販路開拓も図っているところであります。さらに,「くだもの王国おかやま」の新たな品目として,ブランド化に取り組んでいる「いちご」については,今後,首都圏での販売を開始することとしており,引き続き,関係団体と連携しながら,本県ならではのブランド化に向けた取組を進めてまいります。

(CSF対策)

 また,豚コレラから呼称変更されたCSFへの対策につきましては,感染拡大に対する危機感がこれまでになく高まっていることから,先月,初めて兵庫県と合同防疫演習を実施したところであります。さらに,鳥取県と連携して,来年1月から2月にかけて,野生イノシシの捕獲強化期間を設定し,捕獲を促進するなど,今後も,緊張感を持って,関係機関が一丸となり,一層強力に取り組んでまいります。

(雇用対策)

 次に,雇用対策につきましては,先般,合同就職面接会を開催するなど,今年度末卒業予定の学生に対し,県内就職を後押しするとともに,首都圏・関西圏の大学において,県内企業と学生との交流会を開催し,早くからUターン就職への意識を高める取組を行っているところであります。さらに,来月には,留学生を対象とした就職支援セミナーを開催するなど,引き続き,学生の県内就職を促進してまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして,「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

(受動喫煙防止対策)

 まず,受動喫煙防止対策につきましては,望まない受動喫煙を防止するための条例の制定について,有識者や関係団体等で構成する会議を中心に,様々な御意見を伺い,先日,その骨子案を公表したところであります。引き続き,県議会をはじめ,県民の皆様の御意見を踏まえながら,全国的に受動喫煙防止の気運が高まる東京オリンピック・パラリンピックに向けて取組を進めてまいります。

(子宮頸がんの予防)

 また,子宮頸がんの予防につきましては,HPVワクチンと子宮頸がん検診の正しい知識を啓発するため,本県独自のリーフレットの保護者,医療機関等への配布に加え,9月末から,若者向けにインターネット動画の配信を開始しております。今後とも,若い世代の命を一人でも多く救えるよう,子宮頸がんの予防に関する正しい知識の普及啓発に積極的に取り組んでまいります。

(児童虐待防止対策)

 次に,児童虐待防止対策につきましては,県内の相談対応件数が増加する中,防止推進月間である今月,岡山市と合同で街頭啓発を行うなど,虐待防止に対する県民の理解と関心を得るための取組を集中的に実施しております。さらに,全国的に深刻な児童虐待事案が後を絶たないことから,先般,岡山市や県警察との合同研修会を実施したところであり,今後も,子どもの安全を最優先にした対応力の強化に努めてまいります。

(東日本の台風被害への対応)

 9月から10月にかけ,東日本に上陸した一連の台風では,河川の決壊などにより,広範囲に甚大な被害が発生しました。本県としては,被災した多くの自治体への支援が迅速かつ円滑に実施されるよう,発災直後から,全国知事会等と緊密に連携を図り,対口支援の要請のあった茨城県常陸大宮市へ県内市町村とともに職員を派遣し,速やかな住家被害認定調査が実施できるよう,積極的に支援を行ったところであります。今後こうした支援がさらに円滑に行われるよう,先月,自治体間の防災関係システムの統一化について,中国地方知事会として国へ要望したところであり,引き続き,被災地の支援方策の確立に努めてまいります。

(新見市の大雨被害への対応)

 また,新見市で9月に発生した大雨被害への対応につきましては,早期の復旧・復興に向け,災害関連緊急砂防事業等の実施や職員の派遣などの支援に取り組んでおります。先月,住宅を被災された方の生活再建を支援するための「被災者生活再建支援制度」を新見市が創設したところであり,県として,この制度に対する財政支援を実施したいと考えております。

(交通安全対策)

 次に,交通安全対策につきましては,先日,「岡山県 あおり110番 鬼退治ボックス」を県警察のホームページに開設し,あおり運転などの悪質で危険な運転をする車が撮影されたドライブレコーダー等の映像を,全国で初めて,インターネットを通じて県民から提供いただく取組を始めました。提供いただいた映像を検挙等につなげるなど,引き続き,悪質で危険な運転の根絶に努めてまいります。

(暮らしの安全対策)

 また,暮らしの安全対策につきましては,9月末の刑法犯認知件数は7千件を下回り,戦後初めて1万件を下回った前年の同期と比べて,減少傾向を維持しております。一方で,特殊詐欺については,今年1月から9月までの被害額が1億8千万円を超えるなど,依然として深刻な状況にあることから,9月に,初めて特殊詐欺の「緊急特別警報」を県南部に発令したところであります。引き続き,「だまされんのじゃ岡山県・県民運動」を強力に展開し,被害の根絶を目指してまいります。

(移住・定住の促進)

 次に,移住・定住の促進につきましては,東京,大阪等での移住相談会の開催に加え,来年1月には,帰省者を対象とした相談会を,県内において初めて開催し,Uターンの促進を図ることとしております。また,2月には,東京において,日本創生のための将来世代応援知事同盟の17県共同で,「第5回いいね!地方の暮らしフェア」を開催することとしており,今後も,さらなる移住者の増加に取り組んでまいります。

(循環型社会形成の推進)

 次に,循環型社会形成の推進につきましては,先月,食品ロスの削減の推進に関する法律が施行されたところであり,本県としても,おかやま30・10運動などの啓発活動に加え,フードバンクと連携した事業系食品ロスの削減方策の検討を進めるなど,積極的に施策を展開してまいります。

(おかやまマラソン)

 次に,先般開催した,おかやまマラソンにつきましては,1万6千人のランナーをはじめ,ボランティアや沿道から声援を送っていただいた県民の皆様,御支援をいただいた企業,団体など,多くの方々の御協力のおかげをもちまして,大盛況のうちに終えることができました。今回の大会では,節目となる第5回大会を記念した桃型の完走メダルや,初めて白桃の飲み物を加えた「くだもの王国おかやま」らしいおもてなし給食などが,好評を博したところであります。今後も,参加者からいただいた御意見をもとに,さらに魅力的な大会となるよう,改善に努めてまいります。

(東京オリンピック・パラリンピック)

 東京オリンピック・パラリンピックにつきましては,先般,新たにドミニカ共和国とタイ王国のバレーボールチームの事前キャンプについて協定を締結したところであります。また,来月には,パラリンピックとしては初めて,台湾のパワーリフティング選手の事前キャンプについて協定を締結することとしており,いよいよ来年の大会本番に向けて,さらなる気運の醸成に努めてまいります。

(情報発信力の強化)

 次に,情報発信力の強化につきましては,来月,東京都内の映画館において,本県のPR動画「ハレウッドムービー」の新作完成披露試写会を開催することとしております。この様子を,テレビや新聞,インターネットなどを通じて広く発信するなど,本県の認知度向上に向けて,話題性のあるプロモーションを積極的に展開してまいります。

諸議案

 次に,今回提案しております諸議案の概要につきまして,御説明申し上げます。

 まず,予算案件につきましては,当初予算編成後の情勢の変化に伴い,早急な対応を必要とするものについて,補正措置を講じることとし,所要額を計上しております。

 その結果,今回の補正予算額は,

    一般会計において   26億9,600余万円の減額

であります。

 補正後の一般会計予算額は,歳入歳出それぞれ7,341億8,200余万円であります。

 一般会計歳入予算の主な内容につきましては,県債4億1,000余万円などを増額する一方,国庫支出金34億2,100余万円,分担金及び負担金5,200余万円を減額する所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算の主な内容につきましては,地方特定道路整備事業費13億4,500余万円,農林水産事業推進費8億2,100余万円などを増額する一方,地方道路整備事業費36億5,400余万円,農地防災事業費7億7,600余万円などを減額する所要の補正措置を講じるものであります。

 繰越明許費につきましては,地方道路整備事業など16件54億2,000余万円を繰越ししようとするものであります。

 債務負担行為につきましては,指定管理施設の管理運営委託事業など新たに債務を負担しようとするもの14件であります。

 地方債につきましては,今回の補正予算に関連し,所要の補正措置を講じるものであります。

 特別会計につきましては,「岡山県港湾整備事業特別会計」において,所要の補正措置を講じるものであります。

 次に,事件案件につきましては,当せん金付証票の令和2年度の発売についてのもの1件,公有財産の処分についてのもの1件,公の施設の指定管理者の指定についてのもの3件及び平成30年度歳入歳出決算の認定についてのものであります。

 最後に,条例案件につきましては,「岡山県営住宅条例の一部を改正する条例」など9件であります。

 以上,今回提案いたしました諸議案につきまして,その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ,慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。