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第25回 森林研究所の散歩道(ヤブラン、ワルナスビ編)
第25回 森林研究所の散歩道(ヤブラン、ワルナスビ編)
第25回の今回は、ヤブランとワルナスビについて紹介します。
ヤブランは山内の木陰に生える多年草です。名前は藪の中に生え、ランに葉が似ていることに由来します。ヤブランは黒いブルーベリーのような実をつけますが、じつはこれは種子です。結実する際に果実となる部分が破れてしまい、種子がむき出しになったまま成長するため、独特な果実状の種子ができます。
ワルナスビは北アメリカ原産の多年草です。繁殖力が強く駆除が難しい、茎や葉にトゲが生えている、ミニトマト状の果実に毒がある等のことから悪ナスビの名が付きました。特に地下茎による繁殖力は非常に高く、地下茎の断片が1cm以下からでも再生することが可能です。過去には外来生物法によって要注意外来生物に指定されていました。
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。
(出典 林 (1983) 山渓カラー名鑑 日本の野草. 山と渓谷社. p197, 637
長田 (1981) 原色野草観察・検索図鑑. 保育社. p419
国立環境研究所HP 侵入生物データベース https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80320.html)
写真 - 1 ヤブラン
写真 - 2 ワルナスビ