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令和4年度研究テーマ

国等からの外部資金による研究

ゴム材料の高性能化を目的とした不均一構造解析に関する研究​(特別電源所在県科学技術振興事業)

近年、ナノメートルオーダーで材料の力学特性の分布を評価できる技術が進展し、ゴムの架橋および補強における不均一構造がゴムの特性を発現するための重要な因子であることが明らかになりつつある。本研究では、未だに構造が解明されていないゴム材料の分子運動の不均一性、およびナノメートルオーダーの空間的不均一性に着目し、不均一構造と力学的物性との関係を明らかにすることで、ゴム材料の物性発現や製造工程におけるイノベーションを目指す。本年度は、充填剤を配合したゴムを対象に、伸長比の増加に伴うナノ力学物性の空間分布および分子運動性分布の変化を調査する。

シミュレーションを用いたマルチマテリアル化と構造最適化による軽量化技術の開発(特別電源所在県科学技術振興事業)

CO2による地球温暖化が問題となっており、輸送機器業界では次世代自動車などの開発が進められているが、航続距離の短いことが課題となっている。課題解決の一つは軽量化であり、その手法として注目されるものにマルチマテリアル化と構造最適化がある。本研究では、分子シミュレーションと有限要素解析を用いて、化学的結合と機械的結合の観点から接着性を評価する。本年度は、官能基の種類・表面テクスチャが接着性に与える影響を調査する。

県単独で実施している研究

全周撮影による非接触牛体測定システムの開発

畜産研究所では和牛子牛の資質向上を図るため、和牛繁殖農家の巡回指導において子牛の発育を調査し、飼養管理方法の改善を指導している。現在の牛体測定は、子牛の捕獲および保定に重労働と時間を要し、牛の衝突を受けるなど作業者の危険も伴う。そこで本研究では、深度カメラにて全周から子牛を撮影することで、抜けが無い正確な全身点群データを取得し、そこから体重を推定する牛体測定システムを開発する。

水産資源管理現場でのモニタリングに最適化したDX支援機器の開発

漁業の保護・育成において、水産資源管理の観点から環境モニタリングが非常に重要であり、データ収集や遠隔監視などの人力に頼らない自動化に潜在的ニーズが高い。これらニーズへの適用拡大を目的に、市販の安価なIoT機器を活用したDX支援機器を用い、河川におけるモニタリングシステムを構築し、フィールドにおける実証試験を行いその有効性を検討する。

推定精度の高い小規模AIモデルの開発

深層ニューラルネットワーク(DNN)は、高い推定精度をもつ反面、モデルのパラメータ数が非常に多く、処理に時間がかかることや大容量のメモリが必要になるという問題がある。本研究では、小規模ニューラルネットワークモデルの推定精度を向上させる学習手法である蒸留に対して、ノイズによるデータ拡張と中間特徴量を利用した学習を導入することで、より効果の高い学習手法を提案する。これにより、高性能PCからマイコンへの実装など実用性の向上が期待される。

加工温度に基づく加工力・工具摩耗の評価に関する研究

これまで構築した加工の見える化システムと解析手法を用いて、加工温度と力の関連性を検討し、工具への凝着抑制のための加工条件決定のための基礎データを取得する。また、加工音を用いた安価な、見える化システムの提案を行う。

デニム製品の高付加価値化のための評価技術に関する研究

デニム製品にとって着用で生じる変化は付加価値のひとつである。本研究では、高付加価値なデニム製品の開発に向けて、変化の要因となる負荷とそれによる生地の変化を定量的に評価する技術の確立を目指す。

バイオマス素材の活用技術に関する研究

CNFは、高強度、低熱膨張係数、高ガスバリア性、チキソ性などの特性を有した低環境負荷型の材料であり、プラスチック代替材料としての利用が期待されている。CNFは強い親水性を示すため、用途により、CNF表面を化学修飾したり、複合化させたりする必要がある。そこで本研究では、このCNFの界面制御技術や粒子材料との複合化技術を検討する。またCNFを添加した高分子材料を作製し、CNFの分散性・密着性を評価する手法を確立する。

企業の皆さまと共同で実施している研究

分析・解析技術に基づいた高分子複合材料の開発

高分子材料を高性能・高機能化させるためには、マトリックス構造を制御することや、フィラー(無機粉体)や他種高分子材料などの異種材料との複合化が重要な要素技術である。こういった複合材料の構造を解析・制御する技術を開発する。また、高分子(複合)材料の特性を制御し、望ましい性能を有する材料の開発を行う。

清酒製造現場における課題解決に向けた研究開発

国内飲酒人口の減少による清酒製造数量の低下が進む中、特定名称酒を中心に輸出が増加している。今後、より重要視される高品質化、差別化のためには、各工程における技術力のさらなる向上が必須である。そこで、手造り技術が中心で未だ経験の積み重ねによるところが大きい製造現場における各要素技術の科学的検証と特性評価を行う。

繊維製品の高付加価値化と環境負荷低減を両立した染色加工技術の確立

県内の繊維産業は、環境負荷低減を考慮した経営戦略を取る必要が生じている。本研究では、技術シーズであるジーンズ洗い加工技術における高付加価値化や染色加工技術を活用し、ストレッチジーンズに対して低排水洗い加工であるオゾン洗い加工技術の高度化に取り組む。また排水量を低減した染色技術を確立し、低環境負荷繊維製品の開発を目指す。

表面特性や設計手法の高度化による新製品・新技術の開発

近年、多くの製品の高機能化・多機能化がますます進んでおり、新機能の付与や精密化、長寿命化が強く求められている。また、設計から試作、製品化に至る開発サイクルの短期化やコスト削減が求められている。本研究では、金属・樹脂材料の表面特性に焦点を当て、表面へのテクスチャ付与やコーティングによる表面特性の高機能化に取り組む。また、磁気応用機器の設計技術の高付加価値化に取り組む。

マルチフィジクス解析を用いたシミュレーション技術の高度化

製造業では、生産性向上や開発サイクルの短期化への要求から、CADやCAEを活用し、効率的な製品開発を行うデジタルものづくりへの変革が進展している。しかし、製品の高付加価値化に伴って様々な物理現象が相互に作用し、十分な精度で予測できない問題が生じている。本研究では、複数の物理現象を組み合わせて考慮するマルチフィジクス解析を活用し、高精度で計算コストが低減できる解析技術を開発する。本年度は、相互に影響を及ぼし合う物理現象の関係性を解明する。